久慈市を発つ。

AM6:00綺麗な朝焼けが見れた。
八戸市以来の大きな町もこの時間はまだ静か、ごはんを炊きながらテントを撤収して早々に準備しました。
まだ岩手県をどのルートで行くか決めていなかった。
とりあえず浄土ヶ浜が見たいから宮古市には行こうとしていたけど、そのまま三陸海岸に沿って行くか宮古市から盛岡に上がるか、どうしようかな。

来てから知った。久慈市はドラマ「あまちゃん」の舞台ですね。
毎朝6時に起きて8時頃に出発するのでちょうど登校する生徒や通勤の人たちと一緒に動き始める。
みんな毎日この町で生活しているんだなとしみじみ思いながら、無職は次の町を目指しますよ〜。
秋晴れの国道45号。

今朝は5℃。夜も0℃を下回らないからさすがに北海道より暖かい。
紅葉と一緒に南下できそうで嬉しいです。
天高く馬肥ゆる秋の空。今日は清々しい空です。

国道45号は路面も綺麗で、紅葉と太平洋を見ながら走れるとっても良い道。
少し進んでは写真を撮って、少し進んでは自転車を止めて景色を眺めて。
どんどん先に進まないといけないけど、目に入ってくる景色がどれも綺麗で…

久慈市の久慈駅から大船渡市の盛駅(さかり)間を走る三陸鉄道リアス線は南北総距離163kmを走る路線。
海を眺めながら山と町を繋ぐノスタルジックな鉄道です。
ここなんて特にリアス線らしいというか、内陸じゃなくて海沿いを走っている醍醐味を感じられる景色ですよねぇ。
昔は・久慈〜宮古間の北リアス線 ・宮古〜釜石間のJR山田線 ・釜石〜盛間の南リアス線に別れていましたが、3.11によって線路や駅舎に大きな被害を受けます。
北リアス線は被害が比較的少なかったので復旧も早かったですがJR山田線が復旧したのは2019年3月、実に8年もの年月がかかりました。復旧に伴い山田線も三陸鉄道の管轄となって3路線引っくるめた「リアス線」となりました。

海に近い駅って度々見てきたけど(山陰とか北陸とか)この駅もなかなか良い雰囲気の駅です。
降りなくてもわかる無人駅。
カラスが二、三羽カァカァと陣取っていた。
普代村はいい村。

「上神田精肉店」
岩手県で一番小さな市区町村の普代村(ふだいむら)に入ったところでお腹が減りました。
少し走ってみてもスーパーが見当たらず、どうしましょと思っていたところ良い感じの精肉店を見つけました。
窓には大きくカレーパンのポスターが貼ってあった。うん、ここは美味しそうだぞと俺のアンテナが言っている。
外からチラリと覗いてみるといくつか惣菜もありそうだったので今日のお昼はここに決めた。
ラッキーなことに時間の経った割引品があったのであれやこれや悩んだ末「お好み焼き串」「豚バラ玉ねぎ串」「栗コロッケ」を買った。全部で300円くらいだったかな。
この時間は日向にいれば充分暖かいので外のベンチで食べることにした。
食べてみて驚き、あら全部美味しい!! 精肉屋さんのお惣菜って美味しいよな〜
三陸入って初めて美味しいと思える食べ物だった。
ペロリと食べきった僕はカレーパンを買いに再びお店に入って行く…

なんだかこの村とても気に入りました。
精肉店の後には道の駅によって、また国道に戻りました。
小さな村だけど美味しいお店もあって駅も綺麗で、住民の方もどこか明るかった。
小山があり、小川が流れて水面がキラキラと反射していた。
国道に出た時に配達員のお兄いさんから道を聞いて「とても良い村ですね」と言って普代村を出た。

なんでこんなに登るの…と思いながらペダルを回していたら、どうやらここは国道45号の最高地点だそうです。
覚悟していたけど三陸海岸沿いはアップダウン続き。
5億円の金、田野畑村。

北海道にいた時ここ田野畑村についてのネットニュースを見てこの村に行こうと思っていた。
今年の1月に村役場へ金の延べ棒120枚(約60kg)円にすると5億円相当が寄付されたのだ。
田野畑村の年間予算1/6分にもなる大きな寄付、これほどの額は村始まって以来初めての出来事らしい。
寄付者の意向でお名前などは明かされていませんが、すごい人もいるなあと驚きです。
道の駅には延べ棒のレプリカと新聞の切り抜きが飾ってありました。

松前川を越えるために造られた思惟橋(しいの)は高さが120mもあるので橋の上からは谷と太平洋を眺めながら走れます。
このあたりは何本か大きな橋の上を渡る。その度に大きな谷の向こうに見える小さな太平洋に心踊るのだ。

国道を走っていると「龍泉洞 22km 」の看板が見えた。
旅はこういう唐突な出会いの連続、うわ〜行きたいな〜、でも今日は宮古市まで行く予定だしあ〜どうしよう。
マップを見ながらまたあれやこれや検討中、岩泉の方でブルートレインに素泊まりできる場所があるのを見つけたけど今日は当直がいないから無理ですと断られてしまった。
悩みながらも僕の中では龍泉洞に行く方に気持ちが傾いていた。傾いていたというより既に行く前提でリスケしていた。
よし、明日は天気が悪いから今日のうちに鵜の巣断崖に行って、その後岩泉の方で泊まることにしよう。
国道から海に向かって進むと鵜の巣断崖の駐車場があった。
そこからは広めに開かれた林道を10分程歩くと海が見えてくる…

「鵜の巣断崖(うのすだんがい)」
絶景だった。
三陸海岸は海の景色が多かったけど、ここをパスしなくてよかった。そして明日に回さなくて正解だった。
これぞ岩手の海!! デコボコと切り立ったリアス式海岸と果てなく広がる太平洋、この旅屈指の景色に出会えた。
当初は宮古市から北上高地を越えて盛岡へ渡るつもりだったけど、この時点で僕は三陸沿いに進もうと決めた。
観光スポットは内陸の方が多そうだけど、最後までこの海岸に付き合って岩手の自然を感じてやる!!
岩泉町の星空は艶やかだった。

明日は曇り予報なのに、今日の夜は満天の星空が見えた。
雲ひとつない空、自転車に乗っている時も視界の端で星が瞬いているのがわかった。
星のせいか今日の夜空はやけに艶のある黒色だったのが心に残った。
秋晴れと紅葉、蒼い太平洋、煌く星空。
今日はとても良い日だった。
走行距離:104km
朝:ツナ缶とご飯
昼:精肉屋さんでお好み焼き串、豚玉ねぎ串、栗コロッケ、カレーパンを買った。あとオニギリも食べた
夜:ローソンで割引カレーをゲット
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