朝、浄土ヶ浜に行く。

宮古市には浄土ヶ浜を見にきたようなもので起きてコンビニでご飯をすませたらすぐに向かった。
ご飯食べなくてもいいかなと思ったけど脚に力が入らなかったので朝から餃子を食べた。
浄土ヶ浜の駐車場に着いた時はまだビジターセンターも空いていなかったので閑散としていた。

あの桟橋を通って浄土ヶ浜に向かう。
水が透き通っていて気持ちいい。この付近も熊出没するらしいです。
岩手、秋田あたりは出没情報が多くて参ります。こんな海沿いまで来てるのか、熊社会も大変だ。

「浄土ヶ浜」はまさに浄土だった。
白い海岸に切り立った岩がいくつも浮かんでいて、どこか恐山のような雰囲気だった。
4400万年前にマグマが冷え固まった流紋岩は二酸化ケイ素を含むので白色の岩肌になっています。
少しエメラルドグリーンな海に白い浜辺のコントラストが綺麗。
ただこの殺伐とした雰囲気が他の海にない独特な景観を作っていた。
日が雲から出てくるまでレストハウスに入って見たり、辺りを散策したりしていた。

ガイド付きのボートや遊覧船に乗ればマジかで岩を見たり八戸穴(青の洞窟)が見れたりする。
突き出た小岩に海鳥たちが羽を休めていた。
昼ごはんを食べて、重茂(おもえ)半島に向かう。

磯鶏地区のスーパーでお米を買い足して、お昼ご飯に唐揚げ弁当を買いました。
地元の人気スーパーのようで昼間でもお客さんでギッシリの店内。
重茂半島にはお店が何もなさそうなので缶詰も買っておいた。

さあここから国道から外れて重茂半島のメインロード県道41号にスイッチ。
宮古市は明日サーモンハーフマラソン(地元のマラソン大会)らしいです。

しばらく海沿いを走った後はすぐに登り。
ツーリングマップルに「宮古市側の道は比較的楽」って書いてあったけど本当に快適な道だった。
程よい登り、綺麗な路面。景色を楽しみながらのんびりとサイクリング。
紅葉は少しビビッドな設定で撮っているけど、そうすると影が黒潰れになりやすいのが気になる。
この写真も左側の林の影がガッツリ黒いけど実際はもっと明るいんですよね〜

トンネルをくぐってサーっと下って行くとひとつ集落がある。
小さな商店や郵便局(本州最東端のゆうちょ)、小学校と中学校まであって驚いた。
小さな集落って憧れます。僕はこういう村の学校に通うって夢だったんですよね。

その先にある「えんやぁどっと」という交流館(地元食材の直売をされてます)に寄りました。
三陸海岸はワカメの養殖が多く、重茂半島ももれなくワカメ産業が盛んです。
150円で中華ワカメサラダを買って訪問証明書があったので一緒に買いました。
ポストカードかと思っていたけど思いの外でかい。

えんやぁどっとのすぐ先から道の様相が変わり一車線の良い道になります。
さっきまでの綺麗な道もいいけど、やっぱりこういう道が「半島」だなって感じの旧い道で最高です。
斜度も少しキツくなって、木が近くなって、山に分け入っていく感覚が堪らなく楽しい。

「姉吉キャンプ場」
魹ヶ埼の周りにはお店は何もないですが、ありがたいことに綺麗な無料キャンプ場があるんです。
11月は冬季休業に入ってしまうキャンプ場も結構ありますがここは問題なく営業中。
先に1組のソロキャンパーがテントを張っていた。僕はくるりとキャンプ場内をチェックしてから自転車を停めて魹ヶ埼を目指します。
熊に怯えながら魹ヶ埼を目指す。

現在14時過ぎ。
ここからは歩きのみでしか行けない片道4kmの道のり。
ここも海沿いなのに熊出没注意なので怖いな。熊鈴カラカラ鳴らして行こう。

急勾配の舗装路を登ると最高地点の110mに着く。だけどまだここは半分でもなんでもないのでドンドン進む。
トレイルは綺麗に整備されていて安心して歩けます。木漏れ日が気持ちいい。

たまに木々の隙間から海が見える。
この光景が堪らなく好きだった。ホッとするでも息を飲むでもないけど心落ち着く、自然の色しかない。
僕の他には誰もいない、葉擦れの音、遠くから聞こえるさざ波、熊鈴がカラカラと鳴る。

トレイルを歩き始めて1時間、やっと建物が見えてきました。

魹ヶ埼(とどがさき)に着きました。
林を抜けると魹ヶ埼灯台が現れます。ここまで来るとトイレがあります。
灯台には登れないけど東屋があってそこから太平洋を眺められる。
初日の出の時はたくさん人が来てすごいんだろうなぁ。
ただ初日の出が早く見える場所は本州最東端のここでもなく、それよりも東にある北海道の納沙布岬でもなく千葉県の犬吠埼だそうです。それは南東方向がより日の出が早いから(赤道に近づくから?)らしいです。

ここが本当の魹ヶ埼だと思います。
灯台から少し歩くと「本州最東端」の石碑があったので一人で四苦八苦しながら写真を撮りました。
土曜日だってのに僕以外誰もいないんだから。
ここは東経142度04分21秒、この旅では岬を全部回る!!という事はしていませんが最果てというのは気分が高まります。
海が広い、いやデカいという方が合ってる。横を見ても海、水平線の先もアメリカまでずっとずっと太平洋が続いています。
僕の足元には映画「喜びも悲しみも幾年月」の元となった手記の作者・田中キヨさんのコメントが書かれています。
日が沈んでしまうので2~30分滞在して帰ることにしました。
本当はもっともっと長くいたかった。なるべく風景を目に焼き付けて魹ヶ埼を後にした。

ここの岬もリアス式海岸らしく断崖。
フェンスや柵は無く好きなところまで歩いて行けるので怖いもの見たさで散策してました。
崖の高さは大体30m、端の方は海に向かって傾斜がかかっているので縁までは行けなかった。

行きは熊が怖かったけど帰りは一人おじいさんとすれ違えた。
人と会ったので急に熊が怖くなくなったけど、そのおじいさんに挨拶したら「ひひっ」と言うだけで挨拶は返してくれなかった。
やばい、僕挨拶しちゃいけない人に挨拶してしまったのか。
言葉を交わしたことで僕はこの山に縛られて出でなくなるんじゃないか。
この寒いのに上下ジャージだし、もう日が暮れる時間でこれから灯台?リュックも背負ってないのに…
なんて別の怖さを感じながら足早に岬を後にした。
夜、綺麗なキャンプ場で眠る。

そんな心配は杞憂に終わり、日暮れ直前に無事キャンプ場に戻れました。

今日は冷えるなぁ〜
キャンプ場に着いたらすぐに設営して、ごはんの準備をした。
お米を炊いて、日本酒を温めて。今日は鯖味噌缶とえんやぁどっとで買った茎わかめの中華サラダを食べた。
このサラダが美味かった。茎わかめの食感がすごくコリコリしていて三陸わかめすごいなぁと思いながら熱燗をすすっていた。
今晩は僕含めて4組のキャンパーがいた。
ちゃんとした装備持ってくれば人も虫も少ないし、暑さで寝苦しくならないし朝日で起こされることもないから冬キャン最高だ〜。僕はもう少し装備足さないと快適とは言えないデス。さみぃ。
走行距離:
朝:餃子
昼:唐揚げ弁当
夜:味噌鯖缶、わかめの中華サラダ
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