
夜中、浜風が強すぎてテントが持っていかれそうになった。
風を遮ってくれる壁の脇にテントを貼り直してなんとか眠ることができたけど、撤収する時ポールが少し歪んでいることに気がついた。これも旅の勲章だ。
今朝は「勝浦朝市」に来た。6時半から開いている市場で、ここで朝ごはんを食べようと決めていたのだ。

朝市をくるりと一周しておでんに決めた。
だしに使われている鰹節は地元の「海鮮つるや」(通称つるやさん)で作られたもので、3ヶ月もの時間を使ってじっくりと旨味を蓄えた逸品。
手書きの説明書に手書きのイラストが添えられているとても味わい深いおでんとお店だった。
今日は海沿いに進まず内陸に進みます。
国道297号を北に向かって走るぞ。途中、大学に向かって曲がっていくスクーターの学生集団がいた。
なるほど昨日の学生さんたちはここの生徒だったのね。

「道の駅 たけゆらの里おおたき」で猪バーガーを食べた。
今日は内陸部の坂道デイなはず、おでんだけでは足りないので追加で栄養補給!!
イノシシのメンチカツがふっくらパンに挟まれている美味しい美味しいバーガー。
10時くらいには着きたいな〜と思って走っていたら9時55分に到着!!今日は調子がいいぞ。
ここの道の駅は屋内休憩室もあるし、お土産屋に並んでいる食べ物もローカルなものばかりでいい感じだ。

県道465号は小松谷駅から少し「いすみ鉄道」と並行している箇所がある。
ここは東総元(ひがしふさもと)駅。駅前は特段栄えておらず、道の脇にただあるだけといったポツンとした無人駅。
駅舎の中にある大きなおみくじは東京テレビの番組企画で作られたらしい。
冬の日差しが当たりより一層うらうらとした情景にしていた。
この季節は少し寂しさもあるけれど、春になれば房総半島を渡る旅人をこの大きな桜が迎えてくれるのだろう。

山の中に踏み切り注意の看板があるのが良いですね。この辺りでサンダルに履き替えた。
まだあまり登ってないけれど今日は天気がいいのでどんどん体が暑くなる。
国道から県道32号にスイッチ。この木陰で水を飲みながら少し休憩した。

少し手前の集落で「この先行き止まりだよ」と教えてもらっていた。
別のおじさんが「軽トラくらいなら迂回路が通れるよ」といってくれたので国道まで戻らずにすんだ。
自転車なら通れないかな〜と淡い期待をしていたけど、どうやらダメみたい。
早々に諦めてすぐそばの迂回路を登ることにした。

地図を見たときちょっと嫌な予感がしたけど、迂回路がこんなにハードとは…笑
15%くらいの斜度で一気に駆け上がった。僕の横をゴミ回収車が通り過ぎて行った。
キツいけど林道の中は心地いい、千葉県は本州唯一のクマなし県(以前は茨城もいなかったけどここ10年くらいで出没し始めた)なのでこんな林道でも恐ることなく走れる。
学生の頃、東京の奥多摩によく走りに行っていた。その時一度だけ山の斜面にクマを見たことがある。
幸いだいぶ距離があったので危険な事にはならなかったけど全速力で走って帰ったなぁ。
千葉県のクマはいなくなった訳ではなく、化石すら見つかっていないので元々住み着いていなかったという見解らしい。
秩父や福島にいるクマもわざわざ関東平野を越してこちらの山に来ないのだとか。
そう言われると確かに、こんな大きな平野(それも大都会)に囲まれた山地は全国的にもかなり珍しい。
昨今頻発している熊害に怯えなが走っているツーリストたちは千葉県がユートピアになるかもしれない。
海あり山あり鉄道ありでなかなか自転車との相性もいいのではないか。
そして平均標高は全国で一番低い45m、坂道が大嫌いなそんなあなたにこそオススメ。こんな脇道に迷い込まなければ楽しいサイクリングになること受け合いです。

無事に林道から県道に合流できました。
東京に住んでいた時、毎秋養老渓谷に行きたいなぁと思っていましたがついぞ行くことはなかったです。
あ〜どうしようハイキングしてる時間あるか…? 悩みながら取り敢えず観光案内所に行くとほとんどのコースが通行止になっていました。これはまたの機会かな!!今度は小湊鉄道に乗ってこよう。

月崎駅の前にはコンビニがあった。
なかなかの僻地コンビニだったのでおやつ買おうかなと入ってみると、誰かが床の上で何かを作っていた。
娘さんかな?って思ったけど、一歩近づいておばあちゃんだとわかってビックリ。
お昼ご飯のカップ麺を屈んで作っていたのだ。最近ますます目が悪くなってきて参ったな。

「月崎トンネル」
今日のメインディッシュにやっと到着!! 標高は低いけどアップダウンが多く思わぬ迂回路もあったのでなかなキツい道のりでした。
ここは月崎林道1号線にある素掘りのトンネル。房総半島にはこういった素掘りのトンネルがとても多く、ここ月崎トンネル以南に密集しています。標高の低い県なのになんでトンネルが多いだろうと思っていましたが、どうやらこの標高の低さが理由のようです。
標高が低いと川が蛇行し複雑な谷がたくさん出来上がります。谷に集落ができて谷から谷に移動するとなると、低いとはいえ山の中を歩いて行くのは大変、トンネルを作って交通を確保するという理由だそうです。
またこの辺りの地質が砂岩なため素掘りしやすいのも理由の一つ。
このトンネルは元から2連だった訳ではなく真ん中が落盤して切り通しになったらしい。おかげでなんとも幻想的なトンネルとなりました。
少し行きにくいけど房総半島で一番印象に残る景色です。「房総半島素掘りトンネルツアー」めちゃ渋いけど絶対面白いな。

県道から久留里方面に向かう。
急にお腹が減ってきて脚が回らなくなってきた。
頼む〜国道出たらなんかあってくれ〜と思っていたらその手前に地元スーパーを発見!!最高…
道の駅の手作りご飯+地元スーパーの惣菜+地産牛乳、これが旅飯で一番嬉しいんですよ…

「田丸家の名水」
今度は国道で鴨川市を目指す。
走っている途中、視界の端に入った湧き水を見逃さなかった。
久々の湧き水嬉しいなぁ。やっぱり水道水と味が違うぜ。

鴨川市に着いた時にはすっかり夜だった。
房総半島に入ってから一番の都会だ(大きなイオンがある)。お金があれば鴨川シーワールドなんて観光したいところだけどそうもいかないので明日には出発しないとな。
それにしてもお風呂がないんだ。温泉ホテルはあれどどこも日帰り入浴禁止…可の場所も2000円くらいするんだ。
2000円あれば鴨シー行きますよね。
風呂に入れずとも今日は良い日だった!! う〜ん千葉県面白いなあ。
走行距離:88km(獲得標高1,064m)
朝:おでん、猪バーガー
昼:きのこご飯、アジフライ、牛乳
夜:スーパー弁当
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